今回は前回のつづき後編です。
新居に引っ越してから立て続けでトラブルにあうジェリーとジャニス。
恐怖の連続におびえる中、引越し後に受け取ったある手紙の存在を思い出します。
手紙の送り主のキャシー・ロウは何者か?今回正体が判明します!
前編はこちら↓
夢のマイホームへの執念 Outbitで始まる恐怖の連続_前編
手紙の主:キャシー・ロウの正体
2011年の秋、ジェリーとジャニスは手紙を受け取っていました。
送り主はキャシー・ロウ
奇妙な事件が始まったのは、その手紙を受け取った頃からでした。
警察は令状を取り情報開示請求をヤフーに行い、ジャニスの名前を語ってインターネット広告にメッセージを送った人物を特定しました。
手紙の主と一致!キャシー・ロウでした。
キャシー・ロウは、病気の夫と重度障害者である娘の世話をしながら、郡で働く公務員でした。
キャシーは最終的に、ジェリーとジャニスにこれまで行った数々の嫌がらせは「自分が行った」と全面的に認め、逮捕されました。
キャシーの言い分:この家は私のもの
キャッシーはテレビのインタビューに応えます。
キャシー:
足を踏み入れた時、この家は私の家だって、こんな家を手に入れたいとずっと夢見てたの。手に入れられなかっと分かった時、打ちのめされて胸が張り裂けそうな思いだった。それは最愛の人を失ったに近い、それくらい私にとって重大なことだったの。
キャシー(Kathy Rowe)のインタビュー↓

(ハロウィーンに娘と家を訪ねた理由を聞かれ)
私は誰があの家に住んでるなんて興味はなかったの。それよりも彼らがあの家に(引っ越してから)何をしたのかに興味があったの。
(数々の嫌がらせをした理由を聞かれ)
私は嫉妬して、傷ついて打ちのめされて、落ち込んでたの。
(なぜ罪のない人に食ってかかった?嫌がらせて楽しんでたでしょ?)
面白いことだと思ってたので、嫌がらせだとは思ってなかったの。
インタビューではより多くのことを語っていますが、普通の人には理解し難い、キャシー独自の考えが満載でした。
裁判の結果
キャシーは9年の刑期が見込まれました。
結果として、ストーカーの罪で起訴され、裁判の中ではジェリーとジャニスに謝罪もしました。
そして、下った判決は、
- 足首にセンサーをつけた状態で1年間の自宅隔離
- 5年間の保護観察
この2つだけ、刑務所には入りませんでした。
これだけ軽い罪が下された理由は、病気の夫と重度障害者の娘の世話をしているのが彼女だけだったからです。
彼女は、娘の年間150回の医療機関受診に付き添う必要があり、公務員の職を失ったとはいえキャシーしか家族を支える事ができない状況と責任がありました。
その後、裁判が終わって
ジェリーとジャニスの恐怖の日々は終わっていませんでした。
もちろん判決にも満足していません。
ジェリーは言います。
(裁判を終えた今)彼女が私たちを攻撃する理由はもっと明確になったと思います
そして、驚いたことに!
キャシーは、ジェリーとジャニスの家から1マイル(約1.6キロ)しか離れていない家を新たに購入したのです。
まとめ
彼らが暮らすサンディエゴの人々も、裁判の結果に納得いかなかったと思います。
youtubeのコメント欄にも、
Why is she being treated as a person who made a small mistake?? She should have gone to prison. No apology can make up for that.
何で小さなミスを犯した人みたいに扱ってるの?彼女は刑務所行くべきでしょ。謝罪では済まないことだよ。
全くその通りだと思います。
でも、キャシーには彼女なりの言い分があり、それをサポートする人々もいました。
日本だったらどんな判決になっていたかわかりませんが、執行猶予ではなく実刑になることは確実だと思いますし、納得のいく判決でないと日本社会が許さないと思います。
今回、キャシーがジャニスになりすましてインターネットにメッセージを送りましたが、その内容には詳しく触れていません。キャシーはインタビューでそのことを問われても平然としていました。
結局、キャシーは常人とはずれた感覚を持っているからこそ、今回のような事件を起こしたんだと思います。
今回の語彙
lash out_殴りかかる、食ってかかる
solicitation_懇願、性行為を求めること、商品の売り込み
defeat_敗北
dread_ひどく恐る/怖がる
unruly_手に負えない、言うことを聞かない
outset_手始め、最初
felony_重罪
wrangle_(長い間)論争する、口論する
probation_謹慎(期間)、保護観察、仮釈放
おまけ:cul de sac:袋小路(カル・デ・サック)
ジェリーとジャニスの家はカルデサックになっている住宅街でした。
カルデサックは辞書には袋小路、行き止まりとあります。
フランス語が語源で、もともとの意味は袋の底。
実際のカル・デ・サックは日本語で思い浮かべる袋小路のイメージとは違うもので、上の写真のような車の乗り入れのしやすい、静かで落ち着いた住宅地といったところです。
ちなみに カルデサック cul de sac を辞書で引くとこちら↓
https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/cul-de-sac/
引用:goo辞書
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